2010年11月4日木曜日

一夜明けても

未だ余韻が消えないので,映画「グラントリノ」について ちょっとだけ触れようかな。そして一人でも多くの人が観てくれたら と思う。
 舞台はデトロイト、日本車が台頭し東洋人だらけになってしまった住宅街。ポーランド系の老人コワルスキーは妻に先立たれ、いよいよ相棒は老犬デイジーだけになってしまった。
孫のヘソだしルックにキれる、隣のモン族の婆さんとはポーチでガンつけあっている。「ぼったくりのイタ公」「飲んだくれのアイリッシュ」と悪態が日常であり,深い眉間の皺、その奥の眼差しは現代を憂いながらも鋭く見据えている。真一文字に結んだ口からは頑固さが見てとれる。朝鮮戦争での殺人の記憶、深い心の傷。
 ピカピカに磨き上げた愛車1972グラントリノはコワルスキーそのもの。
ある晩、そのグラントリノが何者かに狙われるが,ライフルで追い払う。自分ん家の庭に踏み込んできたモン族のギャングをライフルで追い払う。(コワルスキーの目がキンキンで笑えます) 隣家のモン族の娘スーが黒人のチンピラにからまれているところを 自信たっぷりの 人差し指ピストルで笑わせながら、きっちり助ける。
そんな顛末で,コワルスキーにとっては望んでもなかった隣家のモン族との交流が始まります。いやいやながら始めたコワルスキーの男塾ではあったが,ひ弱な少年タオは日に日に逞しくなっていく。そして,遂に好きなコをデートに誘えたタオに コワルスキーは「デートには最高の車で行けよ!」と愛車グラントリノを貸す約束をする。
だが,タオを仲間に入れようとしつこく絡んでくるモン族のギャング団は,それが気に入らない。仕事帰りのタオに嫌がらせをしたギャングを コワルスキーはボコボコにする。タオとスーの未来を邪魔させない為に。
しかし終わらないギャングの報復は、情け容赦ないかたちになってしまった。
コワルスキーが心を通わせる事ができた異人種の隣家の子供達の未来・・・
そしてコワルスキーは人生の転機の日を決め、きちっと髪を調髪し,スーツを新調し,自分よりずっと若い神父に懺悔をし,庭の芝を整え デイジーを隣家の婆さんに預け・・・。

と、伝えるのは難しいですね〜。でも言葉よりコワルスキーの顔の皺が、雄弁に語ってくれるのでご安心。皺っていいな〜


あとは観て下さい。大切なものが詰まってるから。けして難しい映画ではないし,むしろシンプルだと思うので。貴方が もし観たら,かなり笑ったあとでその頬には熱いモノがつたうかもしれない。と思う。

   今こそ、コワルスキーの心のマグナムが解き放たれる!

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